授業

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「もー!ひっつー、そんなこと言わないでよ!」 「あはは!」 「赤点とらなかったら大丈夫じゃん?ここの赤点30だし」 俺がそう言うと柩と黄泉から笑顔が苦笑に変わった。 まずかった? 「俺…ギリギリだったんだよね。補欠合格なの」 「…そうか」 「ま、わかんない所とかテストの前日には教えてやるよ」 お、昇歌の口からそんな言葉が出るとは。 「なっ、圭」 「おまえのが頭いいだろが」 「そういえば、昇歌くんって学年トップだよね」 「えっ!!そうなの?すごいね」 目を輝かせながら昇歌を見る黄泉。 「たまたまじゃない?」 「いやいや、たまたまで1位は取れないでしょ」 確かに。 そんな話をしていると、ドアが開き誰かが入ってきた。 「おー!みんな元気いっぱいじゃん!若いっていいなぁー」 黒髪の長身。 ここに入って初めて俺より身長高い人かも。 ただ、京先生と違い愛想良すぎ。 良くいうと人なっこそう。悪く言えば軽くみえる、だらしない。 「あ、みんな席着いてー。今日から数学を教える敏弥です。よろしく」
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