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「ねーもしかして、圭って方向音痴?」
「…ただ考えるのが嫌いなだけ」
「ふーん。まぁいいや。急ご!」
「え?走るの?だりぃ」
「俺、挨拶しなきゃなんだわ」
は?挨拶?
…誰に?
疑問に思いながら昇歌の背中を追った。
昇歌の言っていた挨拶とは“新入生代表挨拶”
だった。
あーゆうのは大体トップだったヤツがするよな。
あいつ、頭良かったんだ。
体育館の冷たい椅子に座ったままそんな事を考えていた。
「みてた?俺の勇姿」
「あー寝てた」
「えー…せっかく決まってたのに」
昇歌はあからさまに残念そうな顔をした。
「昇歌って頭良かったんだ」
「もしかして俺の事、バカって目でみてた?」
「いや。別に」
「俺、教科書みたら大体わかるんだよね。授業いらず、みたいな」
「便利な頭だな」
「生まれつき天才ってヤツ?」
「はいはい」
そんな感じで入学式も終わり教室に移動した。
担任の紹介や委員会決め等、面倒くさい恒例行事がだらだらあり(俺は半分寝てたけど)下校になった。
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