相部屋

4/9
前へ
/32ページ
次へ
「万ちゃん、バカだけどイイヤツだからね!」 笑顔で侮辱する怜さん。 そんな年上をバカなんて…。 そんな事が言えるくらい仲がいいのだろうか。 「そうなんですか…」 「あ、敬語なんてダメダメ。タメ語で。ちなみに怜さんなんて呼ばないでね。怜って呼んでね!」 「え、いや、先輩にそんな…」 「敬語とかさん付けとかしたら振り向いてあげないから」 怜さんはそう言うと子どものように頬を膨らませた。 「あはは!わかった!敬語使わねーよ、怜」 「…圭、笑うとかわいー!気にいった!」 「かわいくねーし」 自分より小さくて女顔のヤツにかわいいとか言われても…。 「あっ!早く帰らないと鍵閉められる!じゃね、圭!」 「あ、ああ」 なんかこの高校、個性的な人ばっかだな。 「けー?」 湯気を身に纏い浴室から昇歌が出てきた。 「あ、今さ怜っていう先輩が挨拶に来てて。なんかわかんないけど気に入られたみたい」 「ふーん。俺も圭の事気にいったけど?」 「はぁ?」 何を言い出すかと思ったら…。
/32ページ

最初のコメントを投稿しよう!

102人が本棚に入れています
本棚に追加