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隣を見ればすやすやと気持ち良さそうに眠りについている可愛い女の子がいた。
名前は松岡 禀。
通称、眠り犬だ。
松岡 禀はこの寒い教室の中、でかく赤いストールを肩にかけ、膝に黒く白ウサギがシルエットされているでかい膝掛けを膝にかけており、それはそれは暖かそうにしている。
しかもご丁寧に腕の中にはホットケーキが大好きな某クマのでかいぬいぐるみ。
今は四時間目で授業中なのだが、教員や生徒は完全にスルーしている。
何しろ松岡 禀の寝起きはかなり口が悪いからだ。
そろそろこの担任が注意する頃か。
「ぷりん…」
可愛いらしい寝言が静まり返っている教室に響いた。
微笑ましそうに見てる奴もいれば、俺みたいに苦笑している奴もいる。
担任はというと黒板にチョークを当てて字を書こうとしたが、チョークが折れた。
「松岡…お前なぁ…!」
担当――桜川 裁架こと桜ちゃんは松岡の席まで来て机を叩いた。
すると松岡は可愛いらしくあくびを漏らして担当を見ると
「睡眠の邪魔しないでよヘタレ教師」
と言い放った。
「だ、誰がヘタレ教師だぁぁぁ!!」
「うるさい。ヘタレ教師とは言ったけど誰も桜ちゃんとは言ってないじゃない。なに、自覚あんの?可愛いね、桜ちゃん。ついでだからそのヘタレで可愛い所を利用してさ、しー君とイチャラブしたら?うー。眠い。って、もうチャイム鳴るね。お腹空いた…桜川先生、なに半泣きになってるの?」
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