7人が本棚に入れています
本棚に追加
/10ページ
まさにマシンガントーク。
というか松岡、なぜそこで俺の名前が出てきて、なぜ俺は桜ちゃんとイチャラブしないといけないんだ。
「しー君、私また何か言った?」
「言った。いつもの様にな」
「記憶ない…」
眉を下げうつむく松岡。
うぅむ。さすが松岡だ。仔犬が耳をたれさせているように見える。可愛い。
「さ、桜川先生、ご、ごめんなさい」
「気にしない、うん。気にしてないからな」
桜ちゃんが松岡の頭をなでれば、松岡は嬉しそうに笑った。
そこで授業を終える鐘が鳴り、授業は終わった。
まだ少し眠たそうな松岡だが席から立つと迷わず俺の傍に立って上機嫌に笑う。
「しー君、早く食堂行こう?」
「そうだな、松岡」
「む。松岡って呼ばないでよー。しー君は『禀ちゃん』もしくは『禀』って呼ぶの!」
頬をめいいっぱい膨らませて拗ねる松岡を見ながら「それは2人っきりの時だろ?」と言えば、また松岡はしょんぼりとした。
松岡、その顔は反則だ。
「だって最近2人っきりにならないから名前呼んでもらえてない…」
確かに…。同業であり恋人である松岡と、最近は2人っきりにならない。
どうやら俺が思っている以上に、松岡は寂しがっているらしい。
「禀、解った。解ったからそんな顔するな」
名前を呼べば、禀は顔を輝かせながら俺を見上げた。さっきまでのしょんぼり顔はどこへ行ったのやら。
「寂しがらせたお詫びに何か奢ってやるよ」
「ほんとに?!」
「あぁ。俺、正直者だし」
「えー。しー君は嘘吐きでしょ?」
最初のコメントを投稿しよう!