1人が本棚に入れています
本棚に追加
大学を卒業して半年、俺は就活もせずフリーターをしていた。
ニートと言わないのは、ただ1つの境目であるバイトをしていることからフリーターと強く自ら位置付けしている。
認めないだけまだマシと踏んでいて、先日の店長の誘いを頑なに拒否した。
「そろそろバイトも飽きたんじゃないか?もう四年半だ。社員になってみる気はないか?」
突然の誘いに戸惑いも見せることなく答えた。
「いえ、目指してる仕事があるんです。」
完全な嘘をまるで何かに取り憑かれたかのように答えた。やりたい仕事なんてない、やりたいと言えば一週間後発売のゲーム程度だ。
バイト終了後、特に誰と会話することもなく帰宅。部屋に戻ると買いだめしてある大量のコーラの中から一本取って飲みながらPCへと向かった。
一週間後までの暇つぶしで何かゲームでもやろうと思い文を打つ。
カタカタカタカタカタカタ
「何か暇つぶしになるようなゲームない??」
素早い返信に目をやる。
「最近リアルタイムオンラインってオカルトなゲームが流行ってるらしい\(^o^)/」
仲のいいネット仲間の1人がそう言った。
「何それ?ww」
「何でもリアルの世界と繋がってるらしいwwよくは知らんww」
「何その有り得んゲームww」「確かグリ子が探すって言ってたお(^ω^)」
グリ子も同じネット仲間で少し前はよく顔を見せていたが最近は見かけない。グリ子は男女どちらかは不明だが仕事上イン率は不規則だった。
「グリ子か、最近見ないなwwライオン丸は知らないの?」
「確かに~ww知らんおwwてか普通に探してもないんからオカルトなんじゃんww」
「だなww」
ここで話は途切れ一週間後発売のゲームへと話題は移りそのまま一夜が明けた。
次の日。というより今日なのだが非番なので午前中は寝ていた。
明け方までネットで話していたライオン丸は仕事だと言っていた。
見ての通りだがネット上にしか友達と呼べる人のいないリアルこそが俺の現実である。
最初のコメントを投稿しよう!