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ガチャガチャと鳴り響く中に足を踏み入れ、自動ドアが閉まると俺はその音に包まれた。
ここは落ち着く場所である、このうるさい音が自分の存在を薄めてくれてると思うと心地よくも聞こえてくる。
特に考えることもなくいつも通りの席へ座り100円を入れた。
マイキャラを選びスタートした。
ココの記録保持者である俺は非番の日中のほとんどをココで過ごしていると言っても過言ではない。
もちろんであるがゲームが発売すれば缶詰めである。
しばらくプレイしていると挑戦者が入ってきた。
時々あることで、まぁいつも通り軽くあしらってやろうと天狗で挑んだ。
いつもならあっという間に勝敗は決する。
しかし、予想以上に強く苦戦を強いられ、1戦目は僅差で勝った。
(こいつ、今までになくつえぇじゃねえか。)
油断せずに挑んだが相手は本気を隠していたのかあれよあれよと2、3戦目と敗北してしまった。
かなり自信があったゲームで敗北したことに相手側に興味を示したため、いや言い訳がしたいのだろう、俺は席を立ち対戦相手を探した。
同じゲームをしているのは1人しかおらず、すぐそいつだとわかった。
おそらく俺より2、3若い、至って普通の若者だった。
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