289人が本棚に入れています
本棚に追加
/46ページ
雪「…ありゃー;;」
オッサン達の死体に近付けば近付くほど、殺気がピシピシと伝わってくる。
死体の周りに立つ人影を目を細め見れば、雪那も知っている羽織りが目に入ってきた。
雪「…まじか;;」
…新撰組じゃん;;
ちょっと不安になる雪那だが、そこで諦める性じゃない。
うしっ!!と気合いを入れ、人影に近付いた。
雪「今晩わー!!」
チャキ……
…………;;
第一印象は大切って先生に教えてもらったから、満面の笑顔で挨拶したさ!!
なのにあれ?
首筋にキラリと光る刃物が見えるよ!?
今にも雪那の首を飛ばしそうな刀。
刀から目線を外し、刀を向ける人物をチラリと見れば…
雪「……」
あら、ビックリ。
オッサンかと思ってたら、意外や意外の青年くん。
斎「…貴様、何故こんな時間にうろついている…?」
斎藤は更に殺気を増しながら雪那を睨んだ。
雪「…いや、何でって…;;」
…うーん…何で?
藤「素直に話した方が首は飛ばないよぉ?」
顎に手を当て考え込めば、斎藤の隣に居た藤堂がヒョイト雪那の視界に入ってきた。
雪「おわっΣ!?」
ビックリして後退りしたくなるが刀が首を捕らえていて、下手すれば首が体とおさらばだ。
雪那はグッと踏み止まり、藤堂を見つめた。
藤堂はニッコリ笑って雪那の目を見つめる。
顔は笑顔だか目は笑っておらずしっかりと雪那を見据え、探っている様に思えた。
雪「うーん…散歩?」
藤「…ぷっ!!こんな時間に散歩ぉ?」
間の抜けた答えにクスクス笑う藤堂に雪那は眉を寄せた。
雪「理由なんかないよ?ただ、外に出たくなったからこんな時間に散歩しただけ。」
サラリと言ってのける雪那に斎藤は更に睨みを効かす。
斎「…ならば、何故此処に近付いた。」
斎藤達の後ろには見るも無惨な死体が転がっている。
普通なら、さっさと避けて通るだろう。
しかし、雪那は真っ直ぐ死体に向かって歩いてきた。
それが、雪那がこの死体と関係があると分からせる。
斎「…答えろ。」
藤「この人達、君が殺ったのぉ?」
逃がしはしない。と感じさせる二人の殺気に雪那は観念した様に肩を竦めた。
雪「…そうだけど…僕は悪くないよ!!」
…あながち嘘はついてないよ?
最初のコメントを投稿しよう!