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「面白そうだから協力してやるよ」
「うん、ありが――」
――?
この部屋から出られないような幽霊に、何をどう協力できるっていうの……?
ま、いっか。
「――とう!!」
「オイ待てなんだ今の間は!?」
「さぁ、おっ片付け~おっ片付け~」
「聞けよ!!」
箱に詰められている中身を取り出し、部屋に置いていく。
「なぁ」
「ん?なに?」
「岩井……レイ?」
「ううん、スズ。そのまま読むの」
声の方に視線を向けると、学校から送られて来ていた封筒を見ていた。
宛名を見たのか。
「同じなんだけど」
「なにが?」
「会って最初に言ったじゃん、名前。俺、この漢字でレイって読む」
――え?
これが、鈴(スズ)と鈴(レイ)の出会いであった。
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