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「お前入学式の日に遅刻しそうになって慌ててパンだけくわえて急いで学校行けよ」
「なにその少女マンガの王道!?その後十字路でぶつかった人が実は同じクラスでした的な!?てか50のジジイがなんで少女マンガなんて――」
「あ?なんか言ったか?」
「すんませんマジすんません」
……うん、禁句だった。
この部屋に越してきたのは昨日。
とりあえず1日を共に過ごした、というところ。
例え幽霊であっても、男が同じ部屋の中にいるなんて最初は慣れなかったけど、あまりにもうるさいから『もうコイツ空気でいいや』なんて思ったら案外気にならなかった。
まぁ、本来なら空気と一体化してるようなもんだし。
刃物が嫌いだと言ったレイは、特に包丁が嫌いらしく、台所には一切近付かない。
つまり、台所で包丁を置いてから、着替えたりすれば見られる心配はなく、安心だ。
まさか包丁が御守りになる日が来るとは思わなかった。
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