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「いいか?よく聞け。1つ。俺の年齢に口出すな。俺はいつでもアンタを殺せる立場にいること、忘れんな」
お願いですからさっさと成仏してください。
そんな考えを口に出来るはずもなく、黙って頷く。
「よし。2つ。俺の視界に刃物を入れるな」
そして、二つ目の掟に、小さな疑問が湧いた。
「……は、刃物?どうして?」
「俺は女に刃物で刺されて死んだからな」
すぐに悟った。
腹辺りが真っ赤に染まっている理由、成仏できていない理由。
殺されたから、この地に縛られているんだということ。
それにしても、なに殺されるようなことしていたんだろうか。
……まさかコイツ……女癖が悪かったのだろうか。
それともアブナイ奴?
どっちにしても本当なら関わりたくない部類だ。
「……刃物が怖いの?」
「意思に反してフラッシュバックしやがる」
幽霊にフラッシュバックとかあるの?
思わず突っ込みを心の中で入れてしまった。
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