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「本当だ、久し振りに三人揃っての登校だね」
「お~い槙原一緒に行こうぜ」
呼び掛ける勇気のない僕のの変わりに優が声を掛けてくれる。
もう少し自分から声を掛けられるように努力しないとな。
そう思う反面、優が羨ましくもあった。
一度目を伏せ、それから槙原を見る。
槙原はびっくりして背筋を伸ばし辺りをキョロキョロと見渡していた。
目が合った。
気付いた槙原はその場に止まり、僕達が来るのを待っている。
僕はいつまでもこんな関係でいられたらいいのに、と駆け足で近寄った。
「おはよう。二人とも」
笑顔でのお出迎えに鼓動が高まる。
そしてそれと同時に、なんで二人はいつも笑顔でいられるんだろうとも思った。
いつもそうだ、この二人は笑顔が絶えない。僕と二人との差、それはなんだ?
「どうしたの、終君?」
「え……ふにっ!?」
眼前に槙原の顔がドアップで写っいた為に驚き、頓狂な声をあげる。
「きゃっ!」
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