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大学に着くと、槙原とは別れ優と二人での行動になった。
優は何か言いたそうに何度か頭を掻く。
しばらくして踏ん切りがついたのか、僕の方に向き直った。
「なぁ終……いつになったら槙ちゃんに告白するんだよ」
優が興味津々に言い寄ってくる。
人前では恥ずかしさから槙原と名前で呼ぶものの、人目がなくなると小学校の名残で槙ちゃんになる。
「うっ、いつだっていいだろ。それより優もいつになったら槙原に告白するんだよ」
急に優の肩から力が抜け落ちたように項垂れる。
「振られたよ」
「えっ」
一瞬優の言っていることを理解しかねた。
「振られた。昨日告白したら見事に振られた。好きな人がいるからって」
優が振られた。
優は僕と違ってスポーツ万能で顔もかっこいい。そんな優を槙原は振ったんだ。
それじゃ僕には勝ち目なんてないじゃないか。
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