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「今日はここまで」
教師の言葉を合図に今日最後の授業が終わった。
今日は週の始めで、まだまだ元気が有り余っている。
「よし、帰るか。おっとその前に、呼び出しくらってるんだった。ちょっと待っててくれ」
「ああ。いつもの場所で待ってるよ」
駆け足で去っていく親友に片手を挙げて返事をする。
優が呼び出されることはしょっちゅうなので慣れている。
手伝いかはたまたお説教なのかは分からないが、笑顔で帰ってくるあたり、お説教ではないのだろう。
優の姿が見えなくなったところで自分もゆっくりいつもの場所へ向かった。
「さて今日は何分掛かるかな?」
最近の日課は優が呼び出されて、いつもの場所にくるまでの時間を計って待っている。
階段を下りゆっくりと校門までのだだっ広い道のりを進んだ。
その途中に何のために作られたのか、これまた広い芝生にベンチがある。
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