プロローグ

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「さやちゃん、おはよう」 「るるっち、おはよう」  さやちゃんと呼ばれていたのは明日香紗哉加(あすかさやか)で、るるっちと呼ばれていたのは与市前琉瑠実(よいちまえるるみ)である。 「今度の土曜日の夜、皆予定とかあるん?」  真璃愛が不意にそう切り出した。 「別に」 「大丈夫」  など全員が予定がないことを、真璃愛に示した。 「うちの母親がまた例のヤツするって言うとーわ」  真璃愛の言葉に全員が、喜びの表情を浮かべた。  とバスのエンジンがかかった。  その時、一人の男性がバスに乗り込んできた。  いかつい顔立ちで、不良っぽい感じだ。  彼は制服を着ているようだが、播磨学園高校とは違う制服だ。
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