Whatever……?

3/9
前へ
/89ページ
次へ
「いま部屋ですか?」 『当たり~』 「階段登ってた感じしたから」 『うん、下だとやっぱ落ちつかなくて。お母さん起きてくるかもだし』 ふう、と一息ついて、カップを啜るような音。 美月のことだからまた甘いのにしたんだろうな。 『さっきね、さっそくお母さんに見せちゃった。ネックレス。もらっちゃったーって』 「あほんと?」 『私の好みよく分かってるねって言ってた』 「や~~ほんとに?それは良かった。けど大丈夫でした?遅くまで連れ回しちゃって……怒ってない?」 『ぜんぜん。むしろやっと彼氏できたの~なんて、勝手に勘違いして祝福モード全開』 クスクス、と笑う柔らかい声のトーン。 電話だと余計に声の甘さが際立つ。 落ち着いた吐息なんてつかれると、いつも以上に色気を感じて無性にときめいた。 「……まあ5年も片思いしてたら浮いた話なんてなさそうですもんね」 『あーもー言わないで~それ。図星すぎて泣けるから』 おどけた声に笑えば美月も笑ってるのが分かる。 『でもいいの。哀れな美月さんには茶美がめちゃくちゃ優しくしてくれるから』 「ふふ。なにそれ」 『は~~なんか。無性にお礼が言いたい。いつもいつもありがとうございます』 「いやどうしたの急に。そんなかしこまって言われると怖いんですけど」 『だってほんとに優しいんだもん。自分じゃ分かんないんだろうけどさ?』 ただお礼を言われただけなのに、心臓がさっきからやかましく脈を打つから困る。
/89ページ

最初のコメントを投稿しよう!

58人が本棚に入れています
本棚に追加