シンプル

3/9
前へ
/32ページ
次へ
─── 「何してんだよバァカ」 おいやめろ。前ページと同じ切り出し方はコピペしたと思われるだろうが。しかしまさかコイツも奴と同じ事を言うとは思わなかった。ハゲ遺伝子と体臭遺伝子は生殖を必要としないのか。 「……お前今、なんか胸糞悪い事思っただろ」 おお。ナイスエスパー。腐れ縁はこんな得々プランまでついてるんだね。 「縁切ってやるから小指寄越せ。ブッた切って魚の餌にしてやる」 堅気だから却下で。なんて返すと、飲んでいたアイスコーヒーの氷を吐き出してきた。汚いよ。 明らかにヤの字の顔をしているこの友人、 小鳥遊 正午(タカナシ ショウゴ)は、高校の頃からの腐れ縁だ。 今でこそ晴れて大学生だけど、高校の成績はお世辞の言いどころがない程だった。非の打ち所しか無いって感じ。日本語は怖いなー。少し変えれば真逆になっちゃうぜ。 「……ったくよ、現役学生の俺がなんでバカ派遣なんかに飯おごってんだよ」 「“元”だよ。も・と」 今度はグラスにまだ残ってる氷を全弾一気にぶちまけてきた。やめなよ正午。全部後ろのお客さんに当たってるよ。
/32ページ

最初のコメントを投稿しよう!

8人が本棚に入れています
本棚に追加