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「畜生が、予備用タンクに被弾ッ!!」 貨物席の方まで聞こえるような大きな怒声を操縦席の男が口にしていた。 披弾したからだろう、貨物席内に煙りが広がり視界が白くなる。 「しょうがねぇ、ランディングポイント(着地地点)を大幅にズラすしか……」 「構わない、あのビルの上に降りる。ヘリは着地しないで通り過ぎろ」 僕は運転席に歩み寄り、肩に手を当ててから、目の前に広がるビル郡の内の一つを指差し、指示を出す。 「はぁ? 一人で敵さんの前線に乗り込むつもりか?」 着地の指示を出したビルの近隣には、RPGや軽機関銃の発砲煙が伸びている。 「スポンサーからの指示だ、やらざるをえない」 「ご苦労なこって」 男は片手を目の前で払うように振ると、ヘリを加速させる。 僕はヘリの胴体部扉を開く。 見下には立ち並ぶビル達が瞬く間に通り過ぎて行くが、物怖じせず降下のため扉から身を乗り出した。 「タイミングを間違えるなよ、英雄さん」 「3、2、1、GO GO!!」 僕は、カウントに合わせ今回のために持ち込んだアタッシュケースと身を投げる。 後は自由落下と着地のショックに耐えるために身を丸めた。
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