第四章

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「桜、入るわよ。」 珍しい。母様が誰も連れずに私の部屋に来る事なんて無いのに。 「桜、あなた義高殿の事好き?」 母様まで怖い顔してる。どうしたんだろう。 「好き?桜よく分からない。でも、義高様と一緒にいるとドキドキするの。でも、一緒にいたいって、思うの。」 私の今の気持ちを母様に言った、母様なら分かるかなって思って。 でも、母様の言葉は予想もしない言葉だった。 「桜、よく聞きなさい。父様は近々義高様を討つつもりでいるわ。義高様を救いたいなら、自分の気持ちに正直に生きなさい。あなたがどうしたいか。気持ちが固まったら、母様の部屋に来なさい。」 そう言って、母様はそっと、私の部屋から出て行った。 母様は、何を言ってるの?父様が、義高様を討つ?そんなはずない。だって、義高様は私の許嫁…父様や母様のようになるって… でも…でも… もし、母様の言う言葉が本当だったら… 義高様がいなくなる…? そんなの嫌…
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