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あまり、時間は無い…
このまま、ここにいたら義高様さ殺されちゃう…
でも、離れたくない…
私は、悩み、そして決めたの。
「母様、よろしいでしょうか。」
私は、母様の返事を待って、部屋に入った。
人払いをしてくれたのか、部屋には母様しかいなかった。
「母様、父様に義高様は殺されてしまうかもしれないの?」
母様は悲しそうな目を向け静かに頷いた。
「母様、私…義高様と一緒に生きていきたい。けど、それだと足手まといになる…私、義高様を守りたい。どうしたら、いいか教えて、母様。」
母様の目をじっと見つめた。
「すっかり、桜は大人びいてしまいましたね…あなたが義高殿を守りたい…そういうと思っていました。あなたの部屋の裏に馬と幾らかの食料を積ましています。すぐにでも義高殿を逃がしなさい。そして、少しでも遠くへ逃げるよう、時間を稼ぐのです。良いですね。」
「母様…」
母様はしっかりと頷いた。
「急ぎ、義高殿に伝えるのです。」
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