第四章

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「義高様…私はあなたをお待ちしております。だから、必ず迎えに来て下さいね。」 私は涙をこらえ、必死に笑った。 義高様に私の笑顔だけを覚えておいて欲しいから。 「桜、手を出して。」 私が義高様に向かって両手を出すと、懐から刀を取り出して、私の手毎握りしめた。 「懐剣…?」 「そう、懐剣。これは、私の母上が下さった物だ。きっと、桜を守ってくれる。私の代わりに。」 そう言うと義高様は、私の手を離した。 義高様の代わりなんていない、行かないで、側にいて欲しい。 口を開けば、そう叫びたかった… でも、それじゃぁ、義高様を困らしてしまう… 言えなかった… 「義高様…御武運を…」 私が口に出来たのは、それだけだった。
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