プロローグ

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キーンコーンカーンコーン校内に朝のHRのはじまりを知らせるチャイムが鳴り響く 「やっべ、遅刻しちまうなこりゃ…」 遅刻してしまうというのに焦りの欠片も無い男が、 楠木健こと俺である。 焦らないのにはある理由があるそれは…… 「またか、この手紙の量はっ!?」 靴箱の手紙、これだ…… しかも全部ラヴレター… あー、ラヴの「ヴ」にはツッコまなくてもよい。 まぁそんなことはさておき「はぁ……」 モテるのはいいと思う、 つかモテたいという願望はあった、ひとよりも。だか「こんなにいらねぇよ」と、どっかのバカな殿様のように心の中でツッコむ。 そもそも俺は3日前まで 女の子に告白もされたことがなかったんだぞっ それがいきなりこんなにモテるなんて…… 「意味わからん。」 「誰っ?あーなんだ楠木君ですかこんな時間に声がしたから誰かと思いましたよ」 どうやら声に出てたらしい「おはようございます、橘先生。」 この女性は橘先生。俺の担任だ、まぁ担任と言っても臨時のもので、本物の担任は産休で休んでいる。 橘先生は生徒に絶大の人気がある保険医だ。おっとりした性格が人気の理由らしい 「おはようございます。じゃないですよ、楠木君。完全に遅刻していますよ。」と、ごもっともな事をいう「ってゆうか、先生だってもうHR始まってますよ」俺が皮肉っぽく言うと、 「う……せ、先生はいいんですっ。どうせ本担任じゃないんだし……ブツブツ」 始まったよ…… 先生はよくブツブツ言う、 理由はわからないが多分 俺達のクラス、3-Cの仮担任になるのがいやだったのであろう…… なんたってうちのクラスの男どもは盛ってるもんなぁとりあえずブツブツ言い出すと止まらないからな先生はそう思いつつ声をかけてみる。 「せ、先生?」 「どうせ、私なんか…私なんか……」 ダメだ、完全に自己嫌悪モードに入っている。 「橘先生っ!」 「へっ…」 今度は強めに言ったのだがどうやら戻って来たようだ「よかったー、戻っ───」キーンコーンカーンコーンげ…… このチャイムは… 「やっちゃいました…」 先生も気づいたようだ、このチャイムは一時間目の始まりを告げるものであることを… 「やっべー」 俺はあわてて、山のようにある例のラヴレターを靴箱にリバースして3-Cへと続く廊下をかけ抜けた。
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