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「あんたの打たれ強さには、脱帽だわ。」
あきれた表情でそう言っているのは私の親友の夢ちゃん。
あれから、満員電車の中でもみくちゃにされて駅に着いたと思ったら、さっさと修ちゃんは大学へ向かうべく階段に向かって歩いていった。
「まって~修ちゃん!!!」
聞こえてるのか聞こえてないのか。
もちろん、私のことは置いてけぼりw
その後ろ姿さえもかっこよく見えてしまう修ちゃんが恨めしい。
で、朝の教室で日課になりつつある、私の“修ちゃん報告”を受けている夢ちゃんが口を開いたところでございます。
「あんたしか、そう見えないっつ~の。
まぁ?顔は確かにカッコイイし、ルックスもいいけど…」
「でしょでしょ?
修ちゃんサイコ~!」
「…ナイわ。」
はぁ。とため息をつきながら言う夢ちゃん。
「ええーー!!どうして?どうして?
修ちゃんだよ???あの、修ちゃんだよ?」
夢ちゃんの肩を両手で押さえてガクガク揺らしながら必死に私は言う。
そんな私の両手を、えぇい!うっとおしい!と言いながら払い、夢ちゃんは言った。
「だから、あんた男を顔で選ぶの?てか、顔で選んでるよね?
それでいいの???それで、桃は幸せなの?
あたしだったら無理。そんな冷たい彼氏。」
一気に言い終えた夢ちゃんは、フンと鼻息を鳴らして「言ってやった!」と言わんばかりに腕を組んでいた。
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