第一章

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着いた。 校門をくぐり、 下駄箱で靴をはきかえる。 そう、ここは、私の通っている、地獄。 高校に来ていた。 再登校ってやつ? 大家さんが すぐ引き受けてくれたから、 良かった。 施設の勧誘がうるさい なんて嘘ついちゃったけど。 階段をずっと昇り、 息を荒らして昇り、 たどり着いたのは、屋上。 端っこに座りこみ、 息を整える。 そして、 鞄を開け、お兄ちゃんの写真を出した。 「お兄ちゃん…」 ただ、写真に呼びかける。 「お兄ちゃん、私、頑張ったよ。お兄ちゃんがいなくなった後、泣いてないんだよ。どんなに辛くても、憎くても、怖くても、悲しくても。泣かなかったよ。でもね、限界。私、もう、無理みたい。」 そういって立ち上がる。 下を覗きこむ。 高い。 そして、下には、 さっきの奴ら。 あいつら、都合よくいるじゃん。 「ごめん、お兄ちゃん。今、そっちに行くね?」 お兄ちゃんの写真を置き、 奴らを目掛けて。 風も吹いてないし、いける。 飛び降りる。 ――怖い… でも、お兄ちゃんに会える。 お兄ちゃん、鈴夏、ごめんね― なんとも、ゆっくり、 降りていった。 「瑛美(エィミ)!上――」 「きゃぁぁああああ!!!」 ガンッ!! ドサッ 痛い―― 目の前の、沢山の足の間に、 白いウサギをみつけた。 それにむかって手を伸ばす。 なぜだか、わからない。 駄目、もう。 いし、き…が… 目が……あか……な……………
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