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「おーい月島ぁっ!勝手に死んだ設定にすんなー!」
幻聴が聞こえた。
つい先ほどまで聞こえた声が――。
「へっ?大神…くん?」
ゆっくり振り返ってみると、そこにはたしかに大神黒斗がいた。
陥没した地面の中心――ではなく、綺麗に整備されたグラウンドの中心。
「えっ?あれっ?どういう…こと?」
頭の上に?マークを浮かべた月島。
時空間凍結魔法を解除し、再度発現させたものだということを簡略化して、エレナが諭す。
地に降り立つと、顔を真っ赤にして右手を後頭部に添え、ルシフェルへと何度も何度も頭を下げた。
「わ…私ったら!すみませんすみませんすみませんっ!!」
「なぁに、説明しとかなかった俺様も俺様だからな。気にすんなよ嬢ちゃん」
少し震えながら、今度は黒斗の方を向く。
「あの、勝手に殺しちゃってすみません…」
「んー、心配してくれてサンキュ」
黒斗の微笑みに顔が真っ赤に爆発し、そのまま後ろに倒れていく月島だった。
光景を眺めてルシフェルは大爆笑し、黒斗はなにがなんだかわからずに慌て、エレナは僅かにむすっと不機嫌になる。
忘れているのだろうか。
神力帝式との戦いまで、残りは五日だということを。
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