始まらない活動と始まった特訓

16/40
前へ
/376ページ
次へ
  「ふ、ふははははっ!合格だな。お疲れさん!」 と、ルシフェルが黒斗の背中を叩く。 ルシフェルからしたら労い包みで叩いたのだろうが、黒斗は思いっきり吹っ飛んだ。 わははがはは、と笑いに笑い、ルシフェルはエレナと月島が待つベンチへと歩いていく。 「痛てて。ホントに力強すぎだぜ」 軽く三メートルは宙に舞った黒斗は、真っ先に落ちてぶつけた腰を擦りながらぼやく。 ぼやきつつも立ち上がり、エレナたちの下へと向かう。 どうやら月島が昼食を用意してくれているらしい。 あの風呂敷の中身は重箱のようだ。 せっせと縛った風呂敷を解きほぐす様は、可愛らしくもあった。 「さーて。動いたら腹減ったし、たっくさん食うぞー!」 意気込みながら身体を延ばす。 ゆっくりと歩いて、月島の作った昼食の中身はなにかなーと、思考する。 距離はおよそ一五メートル。この距離の間、期待に胸を膨らませ、まぁ月島は料理上手いからきっと期待は裏切らないと思うぞー、とか考えていた。 考えていたのだが、 「ちったぁ強くなったカ?黒の本質ヨォ」  
/376ページ

最初のコメントを投稿しよう!

219人が本棚に入れています
本棚に追加