始まらない活動と始まった特訓

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  威勢を張ったはいいが、黒斗の身体は震えていた。 そして理解する。 神と魔王の力を取り込んでも、ルシフェルとの特訓で多少の成長をしても、神力帝式との実力差は少しも埋まっていない。 神の如き魔導師。 世界最強の魔導師。 “神の力の一端”。 最高の頂に君臨する男がその気になれば、息をするという当たり前の動作のように、黒斗を消滅させてしまうのだろう。 「ルシフェルさん」 このままではダメだ、と本能で悟る。 奴にはいまのままでは決して勝てない。 悠長に特訓を積むだけでは勝てない。 もっと早く。もっと効率的に。もっと過酷な。もっと強く。 「俺をもう一度、“世界の外”に送り出せますか?」 「不可能じゃねぇが…。なにする気だ?」 黒斗は知った。あの場ならさらに強くなれる理由を。 神と魔王がいる、あの場所なら。 「神と魔王を…支配します」 「……。くっ、ククク、ハッハッハッハッハッ!!言うじゃねぇかガキんちょが。いいぜ、なら――」 ズドンッ――!!と、考えられない激痛が腹部を襲う。 辛うじてルシフェルの拳が腹部に直撃したのがわかった。 「逝ってこい。坊主流のやり方、見せてもらうぜ」 薄れゆく景色の中、ルシフェルがなにやら唱えた。 瞬間、目の前が真っ暗になる。  
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