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「イッキーー・・電話なってんぞ、イッキーー・・」
「イッキーー電話出ろ電話ーー!!イッキーー」
プルルルルップルルルルプルルルル
「電話出ろって言ってんだろうが!」
「グハァ!」
・・・・ズンッズズンッ
音洩れが響くある家。
僕は今仏茶君の家に来ている。
扉を開けるといつもの腐臭が匂ってくる。
しかし、もうだいぶなれた。
僕が部屋に入ると彼は驚いたようにこちらを見る。
「・・・・らしくないね・・・・喰いにいつものキレがないよ」
彼はゆっくりと表情を直し、答える。
「・・・・なんだ・・・・・・アンタか・・・・ちょっと口の中が痛くてね」
「なにを焦ってるのかなァ。あんな二人、いつもの仏茶君ならもっとうまく殺ったら?」
彼は特に反応はしずに、こちらに背を向ける。
「"口封じ"もしておいたし、ちょろちょろ目障りなハエを追っ払っただけだよ」
「そーいうことじゃなくて」
僕は冷静に彼を見ながら続ける。
「裏で学校を仕切るのが得意な君だろ。ガンズは絶好のかくれみのイッキ君達が目立てば目立つほど、君達の存在に教師も警察も気付かない」
彼はこちらを盗み見るように僕を見ている。
「そうしてジワリジワリと敵を追い詰めていく。"夜王は今までずっとそうしてきたハズなのに・・・・"上"に行く者が現れたのが怖い?」
彼は一瞬驚いたが、直ぐに冷静に戻る。
「・・・・フン・・・・なにを言い出すのかと思えば・・」
「少なくとも・・・・僕の知り合いの"渡り鳥"はそう言っていたよ。彼は大きな翼を持っていると。いやもうひとり居たかな」
僕は彼を見ながら、ドアの方へ体を向ける。
ドッ!!
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