三人前の誇りと1%

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三日前。 ガラ 「イッキーいる!?手に入れて来たよ――っコレ!!」 私はある物を持ってイッキの部屋に入る。 中は薄暗く、イッキは自分の机で何かを組み立てている。 A・Tだ。 「・・・・イッキ・・まだやってるの?ウメに頼めば?2・3時間でやってくれるよ?」 「・・・・いや・・・・悪ィけど・・」 イッキはこちらを見ずに、A・Tを組むのに集中しながら続ける。 「コレは俺が自分でやんなきゃイミねーコトだし」 「・・・・ん」 私はイッキが作っているA・Tの横にある物を広げる。 「・・・・パーツ・ウォウはね、暴風族同士の「公式戦」だから。調べれば過去の記録があちこちに残ってるもんなの。とは言え仏茶君はEクラスだから・・・・コレを探すのはちょっと苦労したけどね」 Aとか特Aの試合は映像とかあったりするけど・・・・ 「"夜王"の縄張り。東雲東中で行われたパーツ・ウォウのトリック・パース」 私がちらりと見ると、イッキはニヤリと笑っていた。 まさか知ってるの!? 「・・・・って・・・・なに?」 っておい! 「カンタンに言えば戦場・・・・つまり試合コースの見取り図ね。コレがないと、いざ戦ってトキになにもできないよ?」 私は左手でトリック・パースを叩きながら言う。「かなり細かく書き込まれているでしょ?この地図からどこで技をキメてどこで相手を攻撃して・・・・っていう、いろんな情報を読み取るのも、一流A・T使いになるための必須条件ね」 「俺は初めからチョー一流!!!」 無視!! 「パーツ・ウォウはね、クラスによって種目が別れてるの。一番下のFクラスはダッシュ・・つまり"かけっこ"ね。今のイッキもこのFクラスだよ。そして仏茶君のEクラスは"ハードル"。つまりこの学校の校舎そのものをハードルに見立てた、障害物競走だよ」 イッキはテストで難しい問題が出て来た様な顔をしながらトリック・パースを見ている。 「・・・・ぬ・・・・校舎そのものが・・・・?むう・・・・」 「・・・・・・・・」
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