三人前の誇りと1%

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「この戦・・て言うか、本来パーツ・ウォウって言うのはさ。挑戦者にすごく不利にできてるの。必ず相手の縄張り内で戦うことになるから」 一度冷静にイッキを見て続ける。イッキはまだ真剣にトリック・パースを見ている。 「コースの設定や、カベのデコボコ、配管・手摺り・材質・雨樋の配置・・・・いくら今回の戦場が、通いなれた学校だと言っても・・・・イッキはそういう空間の道、ゼンゼン知らないでしょ?」 イッキは何も言わずトリック・パースを見ている。 「・・・・・・・・ん?」 私は下を見ながらいう。 「・・・・それでもやるの?パーツ・ウォウ・・・・・・・・!?」 いつまでも返事が無いので、イッキを見ると、両手をトリック・パースの上に置き、ただ黙って見ていた。 「・・・・・・イッキ!?」 何かに集中しているようで、またも返事が無かった。なので私はイッキの耳を掴み・・・・ 「ちょっとイッキ!!聞いてんのっ!?」 大声を出す。 これでやっと戻る。 「・・・・・・アレ?」 「どーしたの一体?」 「いや・・それよりリンゴ」 イッキは真剣な表情で言う。 「どうやら俺がまさに真の天才だと証明されたようだぜ」 こういう所が惜しいよね、イッキって 「勝利の女神は・・・・ココ!!ラーメンの中にいる」 ・・・・・・・・ 「はあ!?ウソ!」 回想終了。 『勝利の女神・・・ねぇ。それで仏茶にラーメンやってんのか』 「本当に何でラーメンの中?ありえないよ」 『リンゴ・・・変な勘違いしてない?』 は?とリンゴが聞き返したが、俺が当日になったら分かるよ、と答えると頷いた。 「・・・・いいのかなァこんなんで・・・・ワカンない。ラーメンばっか作っててロクに練習もしてないのに」 『まあまあイッキを信じようぜ』 「ハア・・・・それにもうすぐアレもできあがるっぽいのになァ」
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