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仏茶は屋上の奥に進んで姿がイッキからは確認出来なくなっていた。
「・・・・・・・・イッキ・・」
そんなイッキをリンゴは見ていられ無かった。
戦場で敗北を見るのはどんなライダーでも程が苦しい。何年やってもライダーはこれに慣れない人も居る。
「・・・・・・・・」
ゴインッ
イッキの手から消火器が落ちる。
「ちょっと・・まてよ・・・・オイ・・・・なに・・・・俺無視してそっち行ってんだよっ」
イッキの体が震え出す。此処からでも分かる。
怒り―――
「まだ・・勝負終わってねぇだろっ・・オイッ!!」
(あわれむような、見下したような、ガッカリしたような・・・・あの日の・・・・あの時のような―――!!まだ終わっちゃいねーぞ、オイッ!俺はまだ負けてねェっ!まだっ・・・・負けっ・・・・)
この場に居た者が諦めたハズだった。
たった一人・・・いや俺も・・・諦めていなかったのだ。
「ほう」
イッキは校舎の壁へと・・・飛ぶ。
(ふっざけんじゃね―――っ!!)
「だめっ!!イッキ!!!」
グシャッ・・
飛ぶまでは完璧だった―――飛ぶまでは・・・
「あの高さ・・・・死ぬよ?」
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