プロローグの後に本編があるとは限らない

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世の中とは不思議なもんである。 たかだか20年も生きていない僕が言うのもおかしな話だが、事実そう感じるのだから仕方ない。 少なくとも僕の今置かれている状況は普通ではないはずだ。 突如として人んちの壁をブチ壊して不法侵入してきた少女を風呂に入れてあげる慈愛の権化のような僕。 どう考えても普通じゃない。 これを日常とするのは恐らく『そげぶ』で有名なあの人くらいしか知らない。 いやいやいや、だって壁ブチ壊してってお前。 そもそも何しに来たんだよ、風呂に入りに来たのか? 銭湯いけバーロー。 警察呼ぶって、どうやって説明すりゃいいんだよ。 こんなの某ひぐらしが鳴く村に出没する『んっふっふ〓』でも信じねぇよ。 ……なんてことに気が付いたのは、覗きたいという欲求を血涙を流しこらえながら『はいこちら○○警察署です』という声を電話を通じて聴い てからだった。 詰んだ。
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