プロローグの後に本編があるとは限らない

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落ち着け、クールになれ! 僕ならやれる、切り抜けられる。 具体的には、舌先三寸で国家権力を丸め込み、あの覇王翔○拳を使いたくなるほどイラッとする金髪少女を引き取らせることができるはずだ! ありのままに起こったことを話す…それは論外だ。 僕が窓のない病院に引き取られかねない。 諦める…それもない。 僕にとって死活問題だこれは。一人暮らしの青年の家に少女が居候…いかがわしい匂いがぷんぷんするぜ。 僕にその気がなくともいやまぁあるのだが周りの目が恐すぎる…何と言う日本人根性。 なればこそ さあ発想を逆転させろ僕! 状況を有利に動かせ! ――――なんてなことを0.08秒かけて思考してから『なに必死になって馬鹿なこと考えてるんだろう』という結論にいたった。 虚しすぎる。 当たり障りのないことだけを伝え、あのボンクラを引き取ってもらう…それでいいじゃん。 警察には迷惑かけるが、こちとら税金払ってる身なんだからそれくらい許してほしい。 現実の虚しさを悟り、半ばスッキリした気分で僕は告げる。 「いや実はですね、」 『金髪で紅いマント羽織った、自らをドイツから来たリディと名乗る、やたらと体温の低い、13、4歳くらいの、思わず覇王翔○拳を使いたくなるくらいイラッ☆とする尊大な態度をとる少女でもやってきましたか?』 「お前絶対忍者だろといわざるを得ない」 以心伝心なんてレベルじゃねぇよ。 とんだエスパータイプがいたものである。 もしくは戦士族。 そんな事を考える僕だが、気が付けば電話を握る手がじっとりと汗で濡れていた。 どうやら僕は変な世界に足を踏み入れてしまったらしい。 というか引きずりこまれた。 今日はなんなんだろう、奇妙なことだらけだ。 世にも奇妙な世界はいつもアナタのそばに……そういうことなのかタモ○さん!
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