四月一日

3/9
前へ
/39ページ
次へ
所変わって、夜の校舎内。 人気のない廊下を先程の少女が歩いている。 そんな彼女を、月が妖しく照らし出す。 長く艶やかな紫色の髪の毛、白く美しい肌、くろいジャケットに水色のスカート、しなやかな足。 そして、巨大な鎌。 そう、彼女は、死神見習い。 名は、呪音という。 「何処を見渡しても同じ物ばかり……つまらない建物だ……」 呪音が、そう言いながら歩いていると、目の前に学生服を着た男子生徒が現れる。 男子生徒は、虚ろな瞳を呪音に向けながら抑揚のない声で呟く。 「お前……死神……殺す………」 そう言うと男子生徒の背中から巨大な影のような化け物が抜け出す。 「ふっ……シャドウか……」 「お前等の様な奴らに我々の邪魔をされて堪るか!死ねぇ!」 シャドウと呼ばれた怪物が奇声をあげている。 だが、呪音は………。 「ふふ……良いだろう……来い……切り刻んでやるぞ?」 不敵に笑い挑発する。 「ほざけぇえええ!!!」 シャドウが猛スピードで襲い掛かる。
/39ページ

最初のコメントを投稿しよう!

9人が本棚に入れています
本棚に追加