四月一日

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場所は変わって、別校舎。 「はぁ……見つからないな……」 そう呟き校舎を歩くのは、呪音にミズキと呼ばれたその人である。 彼女は、先程から命の秩序を乱す者、つまり、シャドウを探して校舎内を歩き回っている。 「まさか、余りシャドウのいない所へ左遷されたんじゃないだろうな……」 そう言い、困ったようにしている……。 すると、彼女に注がれる視線。 「シャドウか!?」 鎌を構え、彼女は振り向く。 「って、あれ?」 しかし、そこには、黒々とした静かな闇があるのみだった。 「気のせいか……ん?向こうで音が……さては、向こうか……」 ミズキは、足速にその場を後にした。 「…………ふぅ、危うくミズキに見付かるかと思った……」 そう……コイツこそミズキに視線を注いでいた張本人である。 言わずと知れた呪音だ。
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