神狼

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その夜も、透き通った夜空に満天の星空が広がっている、祥太ご自慢の寝室から、いつものように星空を眺めながら眠りに就こうとしていると… そう、少し前に見たでっかい流れ星が、自宅の前にある小高い丘のうえに、またしても、しかし今回は青色の物体が5、6個落ちてきた。 が、しかし何の音も衝撃も無い… 前回落ちてきたのは裏山で、流石に夜の山歩きってのは、気味悪いもんだから、探索は諦めていた。 しかし、今回は…行ける! 確認しに行ける距離だ。 前回のように明らかに確認出来ない場所なら、好奇心が先走るが、ここまで近く、すぐに確認できる場所は…違う、前回とはまるで違う、好奇心の前に恐怖心が先立つ。 得体の知れない物体、もしくは見たことも無い地球外生物? 怖い!でも、確認したい! 彼の中で確認したいと思う気持ちと、避けたい気持ちが葛藤してる。 結局…見たいが勝ってしまう…止めればいいものを…。 寒さと怖さで異常に全身の震えが止まらない。 丘に登る最中も、震えのせいで何度もつまづき転倒しかける。 しかし、丘の上に着きかける頃には確認したい!見たい!って好奇心が勝っていた。 丘に上り詰め、周りを見渡す。 …ある!点々と光を放つ物体が、1、2、3…5個確認できた。 さぁどうしよう!今なら走って逃げれば、難を逃れて家まで帰れそうな気がする…これ以上近付くと本気でヤバイ気が本能的にビリビリ感じる! 野性動物なら、この本能に従い間違いなくこの場から音もなく立ち去ったであろう。 …人間ってのは本当に厄介な生き物で、好奇心?怖いもの見たさ? 気づけば光の正体の目と鼻の! 光の中で何かが脈打っている。 (ヤバイ!こいつらが僕に気付く前に逃げなくては!) 流石に恐怖が襲ってきたが、すでに遅かったらしい、後ずさりでその場から立ち去ろうとする背後で、全身の毛穴が広がる位の殺気立った恐怖が全身に突き刺さる。
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