神狼

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恐る恐る振り返る… 何てこった…同じのが5匹も迫ってきてるじゃねぇか! 間違いない! ここで死ぬな! 落胆と後悔の念が押し寄せる。 不思議なことに恐怖は消えていた、妙に感覚だけが徐々に研ぎ澄まされていくのを実感する。 それと同時に僕の周りにいる得たいの知れない生き物に狙われている事に対して、沸々と怒りが込み上げてくる。 それを知ってか知らずか、目の前の奴が一歩迫って来た! 来た! 殺られる! 直感的に、そう感じた。 その瞬間、今まで沸々と込み上げてた怒りが頂点に達した! 初めての感覚が身体を駆け巡る。 心がヘソの下までスーッと沈んでいく。 同時に身体の中の何かが背中、肩、頭を通り抜けてスーッと抜け出て行った! かっ軽い! 異常に身体が軽い、むしろ少し浮いてる感すらある、なのに全身に力がどんどん満ち溢れてくる 負けねえ! 負ける気がしねえ! 周りにいる得たいの知れない生き物が僕よりも、いち早くそれを察知したのか、背後にいる5体は後退りしだす。 目前の奴は背中の毛を逆立て更に鋭い牙をむき出し威嚇しはじめる。 これは所謂、闘気って奴なのか? 此には、自分自身少し驚いた。 が、もっと驚く事態が訪れた。
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