第1章 始まりの日

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もうすぐで校門という時、破壊された戦闘機の1機が僕たちのいる方向に落ちて来た。 「まずい!走れ!早く!!」 僕たちは校門へ急いだ、が間に合わない。 「くそ!」 ここで僕たちは死ぬのか!?冗談じゃない! その時 『ズキューン!』 『ドガーン!!』 一筋の黄色い光が戦闘機を貫き、激しい爆風が起こった。 「うわぁー!」 僕たちは数十メートル飛ばされ、地面に叩きつけられた。 「う、あぁ、ぐ。」 痛みに耐えながら僕は立ち上がった。 杏奈(あんな)と慎司(しんじ)も立ち上がった。 「2人とも・・・大丈夫か?」 僕の問いかけに2人は答えず、ただ呆然とその場に立ち尽くしていた。 「おい、どうした?」 すると慎司が僕の後ろを指差した。おそらく破壊された校舎を差しているのだろう。 「校舎のことなら予測できている。だからお前らに。」 「ち、違うよ雅人(まさと)。あ、アレだよ。」 僕の言葉をさえぎって杏奈が言った。 「アレって何だよ?」 「う、後ろ見てみろよ、まっちゃん。」 慎司に言われ僕は後ろを見た。するとそこには、オレンジ色の装甲の機体が立っていた。 「この機体は?」 楳吻よりも、いや完全に人型で、ロボットアニメに出てくるような外見の機体だ。 連合の新型か? 『ドドド!』 楳吻がその機体に攻撃した。ということは連合の機体ではない。 じゃあいったいどこの? 機動性が低いのか避られず、その機体はまともに攻撃を受けた。 ・・・おわった。 少しは助かるかもしれないという希望を持ったが、あれだけの数のミサイルを受けて無事なはずがない。 煙が消えるとその機体は・・・立っていた。しかも無傷で。 まさか、わざと避けなかったのか? 『ズキューン!ズキューン!』 『ドガーン!ドーン!』 それは一瞬だった。 その機体が構えたライフルから放たれた2本の黄色い光は2機の楳吻(バイフーン)を貫き、楳吻は爆発した。 あの光はさっき見たのと同じ、ということは落ちて来た戦闘機を撃ったのはこの機体だ。 今度は別の楳吻へ向かっていった。 かなり速い。やはりさっき避けなかったのはわざだ。 「雅人、早く!」 杏奈の声で我にかえり僕たちは再びシェルターへ向かって走り出した。 連合の戦闘機もその機体に攻撃をはじめた。 今度は攻撃をすべて避けた。
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