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《早く乗れ。》
そう言われて僕が機体に乗ろうとした時。
「おい、乗るのかよ?」
「戦うの?」
「・・・戦いたくはない、でもみんなを守るためなら俺は戦う。2人は隠れていろ。」
そう言って僕は機体に乗り込んだ。
中には座席があり、その両脇に操縦桿(そうじゅうかん)があった。
座席に座ると
《左の操縦桿のところにある黒いボタンを押せ。》
という通信がはいった。
言われたとおりにボタンを押すとハッチが閉じ、前にモニターが現れた。
モニターの上には通信画面があり、その画面に顔が移った。といってもヘルメットをしており、顔は見えないようになっていた。
「あんたは、この機体はいったい。」
《質問は後だ。真ん中のくぼみに“ソウル”をセットしろ。》
僕は言われたとおり真ん中にあったくぼみに“ソウル”をセットした。
『ギュオーン!』
という音ともに機体が起動し、装甲の色が灰色から白へと変化し、さらに装甲が追加された。
右手に装備していた“ハンドビームガン”は右腕と一体化し、左腕にマウントしていたシールドには“ビームサブマシンガン”、“ビームブレイド”、“ビームサーベル”が追加装備され、形状も変化した。背中にはフライトユニットが装備された。
《操縦の仕方はわかるか?》
「はい。」
《むちゃはするなよ。》
その言葉と共に通信が切れた。
当然、僕は一度もこの機体に乗ったことはないし、動かしたこともない。でも、なぜか操縦方法がわかった。
「“ナイトコマンダー”。」
それがこの機体の名前だ。
僕は“ソウル”に浮かび上がっている文字を見てから、操縦桿を強く握った。
かがんだ姿勢から機体を起こすとその先には楳吻(バイフーン)がいた。
「うおおおおおッ!!」
スラスターを全開にして僕は楳吻に接近していった。
そう、これが僕の、いや僕たちの戦いの始まりだった。
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