第2章 戦火の中へ

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一瞬で“楳吻”(バイフーン)が眼前に現れた。 「はああああッ!!」 シールドに装備された“ビームブレイド”を抜き放ち、そのままの勢いで“楳吻”を真横に切った。“楳吻”は爆発し、わずかな衝撃がコクピットに伝わった。 『キュイーン!ドドドドド!!』 連合軍の戦闘機が“ナイトコマンダー”の存在に気づき、ミサイルを撃ってくる。 『バババババ!ズキューンズキューン!』 『ドーン!ドガーン!ドゴーン!!」 それをシールドに装備された“ビームサブマシンガン”で撃ち落とし、右腕に内蔵された“ハンドビームガン”で反撃し、何機かの戦闘機にあたり、爆発した。 『ビィービィー!』 「ッ!?』 突然座席の両サイドにあった警報機が鳴った。 背後からの“楳吻”の攻撃だ。 『ドガーン!』 「ぐぁッ!」 反応しきれずミサイルがあたり衝撃で前方に飛ばされた。機体は地面に叩きつけられ、コクピットには強い衝撃が伝わった。 幸い機体の装甲が強かったため損傷はしなかった。 機体を起こし、後ろを向き、スラスターをふかして“楳吻”に接近する。 「おおおぉぉぉッ!!」 ブレイドを握った右手でそのまま“楳吻”を殴りつけ、倒れかけたところを右足で蹴り、機体は後方に飛ばされた。 どっしりとした機体は何十メートルも飛ばされ、何本ものビルを突き抜け爆発した。 『ビィービィー!』 今度は左の警報機が鳴った。 とっさに機体を後退させると、モニターにミサイルが通過するのが見えた。 間髪容(かんはつい)れずにシールドに装備された“ビームサブマシンガン”を撃ち“楳吻”を蜂の巣にした。 やがて周辺にいた連合軍は撤退をはじめた。 「はあ・・・はあ・・・ッ。」 おわった。なんとかなった。 《大丈夫か?》 通信が入り顔を上げる。左のモニターにオレンジ色の機体が近づいてくるのが見えた。 「はい。」 息が上がるのを抑えながら僕は言った。 《よし、ついて来い、連れも一緒にな。》 そう言って彼は通信を切った。 ついて来いといわれ、少し考えてから、慎司たちのいるところに機体をかがませ、手を出した。 《お、おいついて行くのかよ?》 スピーカーから慎司の声が聞こえた。 「ここにいても仕方ないだろ?」 僕もあまり気はのらなかったが今はついて行くしかないと思った。 「ならこの子もいい?」 見ると杏奈の横には女の子が1人いた。
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