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一瞬で“楳吻”(バイフーン)が眼前に現れた。
「はああああッ!!」
シールドに装備された“ビームブレイド”を抜き放ち、そのままの勢いで“楳吻”を真横に切った。“楳吻”は爆発し、わずかな衝撃がコクピットに伝わった。
『キュイーン!ドドドドド!!』
連合軍の戦闘機が“ナイトコマンダー”の存在に気づき、ミサイルを撃ってくる。
『バババババ!ズキューンズキューン!』
『ドーン!ドガーン!ドゴーン!!」
それをシールドに装備された“ビームサブマシンガン”で撃ち落とし、右腕に内蔵された“ハンドビームガン”で反撃し、何機かの戦闘機にあたり、爆発した。
『ビィービィー!』
「ッ!?』
突然座席の両サイドにあった警報機が鳴った。
背後からの“楳吻”の攻撃だ。
『ドガーン!』
「ぐぁッ!」
反応しきれずミサイルがあたり衝撃で前方に飛ばされた。機体は地面に叩きつけられ、コクピットには強い衝撃が伝わった。
幸い機体の装甲が強かったため損傷はしなかった。
機体を起こし、後ろを向き、スラスターをふかして“楳吻”に接近する。
「おおおぉぉぉッ!!」
ブレイドを握った右手でそのまま“楳吻”を殴りつけ、倒れかけたところを右足で蹴り、機体は後方に飛ばされた。
どっしりとした機体は何十メートルも飛ばされ、何本ものビルを突き抜け爆発した。
『ビィービィー!』
今度は左の警報機が鳴った。
とっさに機体を後退させると、モニターにミサイルが通過するのが見えた。
間髪容(かんはつい)れずにシールドに装備された“ビームサブマシンガン”を撃ち“楳吻”を蜂の巣にした。
やがて周辺にいた連合軍は撤退をはじめた。
「はあ・・・はあ・・・ッ。」
おわった。なんとかなった。
《大丈夫か?》
通信が入り顔を上げる。左のモニターにオレンジ色の機体が近づいてくるのが見えた。
「はい。」
息が上がるのを抑えながら僕は言った。
《よし、ついて来い、連れも一緒にな。》
そう言って彼は通信を切った。
ついて来いといわれ、少し考えてから、慎司たちのいるところに機体をかがませ、手を出した。
《お、おいついて行くのかよ?》
スピーカーから慎司の声が聞こえた。
「ここにいても仕方ないだろ?」
僕もあまり気はのらなかったが今はついて行くしかないと思った。
「ならこの子もいい?」
見ると杏奈の横には女の子が1人いた。
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