第2章 戦火の中へ

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《あ、相原莉奈(あいはらりな)です。》 相原莉奈、高校2年生。1年の時は同じクラスで今は隣のクラス。学力は並みだが、運動神経はあまりよくないらしい。部活は茶道部。控えめな性格であまり人とは話さない。 僕は隣のオレンジの機体を見た。 《構わん。早くしろ。》 短くそのパイロットが言った。 手のひらに3人が乗ったのを確認し、腕を胸のあたりまでもっていった。 《いいか?行くぞ。》 そう言うとオレンジの機体は上空へ飛んでいった。 風で飛ばされないように3人を手で覆いながら僕もそれに続いて、上空に飛び立った。 眼下には破壊された街が見えた。 家族や親戚の心配をしつつ僕たちは街をあとにした。 「なぜあんなに戦えたんだ?」 コクピットの中でふと僕は疑問に思った。 だいたい僕はこの機体を操縦したこともないのに、機体は不思議なくらい思い通りに動く。いや動かせる。 「この機体にはなにかある。」 そんなことを考えていると目の前に海が見えた。 海上へ出てしばらくすると 《ここで待て。》 という通信が入った。 すると海面からトンネルらしきものが出て、僕たちはその中に入っていった。 トンネルはかなり大きく2機が一緒に入っていっても余裕があった。 その中をしばらく進むと今度は扉が見えた。 その前に降りると、扉がゆっくりと開き、僕たちは中に入った。 格納庫だろうか中は今通ってきたトンネルよりずっと広かった。 ここがおそらく拠点なのだろう。 僕は3人を下に降ろし、僕も降りようとした時通信が入った。 《“ソウル”を外すのを忘れるな。》 僕は“ソウル”と呼ばれた六角形のメダルを真ん中にあるくぼみから外した。すると機体は停止し、装甲の色が灰色に戻り、最初の状態に戻った。 僕が機体から降りると、慎司と杏奈それに相原さんが近づいてきた。 「大丈夫?雅人。」 「あぁ、お前らも無事でよかった。」 3人はたいしたけがをしていなかったので、僕は安堵の表情を浮かべる。 「しっかしすげぇよまっちゃん。よく操縦できたよな。なんか訓練とかしてたのかよ。」 「いや、何も。今回がはじめてだ。 「すげぇな、まっちゃん。それってきっと才能だよ。」 慎司が興奮しながら言ってきた。 才能なのか?いや違うたぶん原因はこの“ソウル”と呼ばれたメダルだ。 ソウル、魂・・・・・。
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