第1章 始まりの日

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12月とは思えない暑さの中、僕は学校へ向かっていた。 学校まではバスで約20分そこから歩いて5分。 高層ビルが立ち並ぶ都心にある。 バス停に行く途中でコーヒーを買った。 眠気がハンパなかったから。 それからバス停でバスに乗り空席に座った。 朝の登校時間ではあったが車内はすいている。 別に珍しいことではない、今時バスと徒歩で学校に行くほうが逆に珍しいくらいだ。 大半の生徒は“モーターバイク”で登校する。 僕は目を覚ますためにバスと徒歩で通っている。しかし、今日は学校に着くまでに目が覚めそうにない。 コーヒーを買ったがあまり効果はなさそうだ。 窓の外に目を向けてみる。 いつもと変わらない穏やかな日常がそこに移っていた。 こういう景色を見ていると世界大戦が起きているなんて信じられない。 そんな中で日本は数少ない中立国の一つだ。 過去に原子爆弾を落とされたことが中立を保っている背景にあるらしい。 だから戦争は遠い世界の話しだと思っていた。
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