第1章 始まりの日

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「よし、はじめるぞ。 位置について、よーいどん!」 先生の合図で一斉に走り出した。 40分後 『キーンコーンカーンコーン』 「では、今日の授業はこれまで。」 「ありがとうございました。」 授業が終わった。走り終わった順番は・・・。 僕、杏奈(あんな)、そして慎司(しんじ)。 序盤、慎司は僕の前を走っていた。 しかし後半になってペースが落ち、結果最下位。 はっきり言って序盤に飛ばしすぎだと思う。 「やったぁ、一食分もうけちゃった♪。何食べようかな~。」 「はぁ、俺はかけそばだな。」 うれしそうに言う杏奈と対象的に、慎司はため息まじりに言った。 「だいたいお前がいなけりゃ俺が勝ってたかもしんないんだぞ。」 「あんたが雅人(まさと)に勝てるわけないじゃない。にしてもすごいわね雅人。男子だけじゃなくて女子よりも早く終わるなんて。私の考えがあまかったみたいね。」 「まっちゃん絶対本気だっただろ?」 「勝負事は本気でやるのが俺のポリシーだからな。それに今月は金欠だったし。」 「そんだけ運動出来てなんで、部活に入ってないんだよ?」 「ほんと、なんで部活入らないの?雅人なら絶対全国行けると思うんだけどなぁ。」 「部活に興味はない。」 実を言うと単に面倒くさいだけなんだけど。 「えぇ、もったいないよ。」 そんな話しをしながら校舎に入ろうとしたその時だった。 『ドーン!ドカーン!!』 突然大きな音がして僕たちはまたグラウンドに出た。 「おい!見ろよアレ!」 慎司が東のほうを指差した。 そこには半壊のビルがいくつかあった。 さっき見た時はあんな状態じゃなかった。 爆弾か何かで破壊されたに違いない。 すると杏奈が 「ねぇ、アレ見て。」 と今度は西の空を指差して言った。 空を見るとそこには数機の戦闘機が飛んでいた。 しかし日本軍のではない。 すると今度は僕らの後ろで 『ズドーン』 と何かが落ちたような音がして地面が揺れた。後ろを見るとそこには、戦車?に足が付いたような機体がいた。 「“ば、楳吻(バイフーン)”!?」 慎司が驚愕(きょうがく)の声をあげた。
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