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「今日は一緒に盛り上がりましょう!」
後輩のミッシェルが夕方迎えに来てくれた。
それを合図に荷物を持って会社の部屋を後にする。
移動にはタクシーを使って駅前の居酒屋まで行った。
「日頃の諸君の頑張りを讃えて乾杯!」
「かんぱーい」
カチャカチャンとカップのぶつかり合う音がして宴会が始まった。
アヴィンは料理を頼み、隣の同僚と話していた。
趣味の話や家族の話で盛り上がっていた。
その同僚もそうだったが、みんな自分の身の周りのことに精一杯取り組んでいて、とてもアヴィンのことに時間を費やしてくれるには大変だと思ったが、最近のアヴィンの周りのことに色々手を焼いてくれたのはみんな良い人たちだと感心するだけだった。
アヴィンはふと
「いつもありがとう」
とその同僚に言った。
同僚は一瞬キョトンとしたが、すぐにアヴィンの背中を叩いて
「何を言うんだよ、困ったときはお互い様だから助けるのは当たり前だよ。お前も俺が困ったら助けてくれたら良いしな」
と笑いながら言った。
アヴィンも思わず微笑む。
ガラガラ!
「ちはー、遅れましたぁ」
居酒屋の戸が開いて、会社の者が1人遅れて入って来た。
その途端、話していた同僚が
「アヴィン、お前の友達が来たから席空けるぜ、またな」
と言って去っていった。
アヴィンは躊躇した。
しかし、それも束の間、横にすぐに友達なる者が座って来た。
「チャオ、アヴィン」
「う…」
アヴィンは顔を青ざめさせながら、マイルが見えないように前を向く。
こいつときたら、いつでも暇があれば、アヴィンのところへ来て、色々関わってくる。
いい加減何とかならないものかと嫌なのを隠せない。
マイルはというと、会社の同僚と話していたことをアヴィンにも話してきて、「これは●●さんには言ったらダメだよ」とか言いながら、話した本人の信用を他所に第三者であるアヴィンに口外してくるのだからとても退く。
「なぁ、マイル、そういう話をしてきてくれた人は少なくともお前が口外するなんて思ってないんだから、そうやって話すのやめろ」
とアヴィンは制止に入る。
マイルは「でもでも何で僕なんか信用するのかな?おかしいよね?アヴィンから見て僕ってどんな風に見える?」
アヴィンははぁーとため息をつきたい気分にならされたが、「それはその人の見方だから俺のを聞いても本当のことは分からないぜ」と答える。
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