175人が本棚に入れています
本棚に追加
/373ページ
―――――
現在、少年は戦っていた。
必死になって、自分の人生最大の戦いを繰り広げていた。
ただし、血みどろの死闘を繰り広げているわけではない。
戦う相手に姿形はないからだ。
すなわち、少年が戦っているのは、自分が十五年にわたって築き上げてきた理性と常識という名の相手だったからだ。
バン、と爆発音が周囲を震わせた。
少年の見ている前で、路上に駐車してあった乗用車が爆発したのだ。
燃料に引火のしたか、車はそのままオレンジ色の炎を上げて燃え出した。
最初のコメントを投稿しよう!