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少年は覚悟を決めて路地に逃げ込んだ。
少年にとって唯一の利点は、ここが彼のホームグラウンドということだ。
生まれてから十五年にわたって住み続けた街。
この街にある道という道で少年が歩いたことのない道はない。
入り組んだ路地だって、少年にとっては庭も同然だ。
地の利を活かして相手をまこうという作戦だ。
デタラメに路地の間を駆け抜けていく少年
この辺りは無計画な都市整備の結果として、路地が迷路のように入り組んでいる。
一度迷い込めば、地元民でも抜け出すのに苦労するほどだ。
ここならば逃げられる――少年はそう確信していた。
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