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「じゃぁ、ケーキから作りましょうか。私、焼いて来たのよ。」
恭子さんはケーキ箱から二周り程小さなイチゴのショートケーキを二人分取り出した。
「わぁ、美味しそうですね。」
この時代にショートケーキとかあったのかな?
でも、本当に美味しそう。
「ふふっ、そう言うと思ってねぇ。はい。」
そう言うと恭子さんは、普通の大きさのショートケーキを二人分取り出した。
「剛志君と食べて。」
「わぁ、ありがとうございます。」
私は冷蔵庫に入れながら尋ねる。
「でも、ケーキって蝋細工とか、ゴム生地で作るんじゃ無いんですか?」
恭子さんがニヤニヤしだした。
自慢話や嬉しい話などをする時の顔だ。
「でしょう、そう思うわよねぇ。でも、今の科学って凄いのよ。じゃーん!!」
そう言うと恭子さんは瓶を取り出した。
「防腐剤よ、防腐剤。これをケーキの形が崩れない用に綺麗に塗って、冷蔵庫で四、五時間冷やすだけで良いのよぉ。」
「へぇ、便利ですね。」
「しかも、今は無臭なのよぉ。昔もある事はあったんだけど、臭くてねぇ。」
瓶の蓋を開け、鼻を近づける。
くんくん。
「本当だ、全然臭わないですね。」
「でも、冷やしながら乾かさなきゃ駄目なよぉ。」
「じゃあ、ラップはかけちゃ駄目ですね。」
「そうそう。さぁ、始めましょうかぁ。」
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