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「このクソガキが!」
午後、人々で賑わう市場は喧騒に包まれて騒然としていた。
人々の視線の先には、石畳の上に座り込み恐怖に顔を歪ませる小さな男の子と、それを庇うように両手を広げて前に立つ少女。そして、相対しているのは殺気立つ傭兵くずれの男達が3人。先程罵声を放ったのも彼等だ。
この危険な状況で、幼い2人を助けようとする者は居ない。周りを囲み、側の人と小声で言葉を交わすものの、それだけ。ただ傍観者を決め込んでいる。
そもそも、男の子が男達とぶつかり絡まれている際も、彼等は今と変わらずただ傍観しているだけだった。
その中で、唯一男の子を助けに現れたのがこの少女。十余ばかりのあどけなく幼い少女だけが、男の子と男達の間に割って入ったのだ。
殺されるかもしれない恐怖に堪えながら、宝石のようなライトブルーの瞳は男達を睨みつけていた。
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