はじまり

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  「仕方なかろう」  灯籠が灯る室内で、酌を持った男がごちた。  木曾義仲(源義仲)。  寿永2年(1183年)、信濃国を中心に勢力を広げ、同じ源氏の源頼朝とは独立した勢いを見せ、平氏を都落ちへと追い込んだ男である。  だがしかし、後白河法皇は平氏追討の功績を、第一に頼朝、第二に義仲とするなど義仲を低く評価し、頼朝の上洛に期待をかけた。  これにより、義仲は頼朝との対立が始まった。 「しかし、貴方っ!」 「大丈夫です、母上」  そしてまた、義仲が頼朝と対立していた志田義広と新宮行家を庇護した事により、頼朝と義仲は武力衝突寸前とまでに、陥ってしまったのだった。  
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