19人が本棚に入れています
本棚に追加
「私も木曾の子。父上の子です――覚悟はできております」
「……義高」
それを打開すべく打ち出されたのは義仲の十一になる嫡子、義高を人質として鎌倉へ差し出す事であった。
「義高よ」
「はい」
「――誇りを常に」
「……はい」
しかし、ただの人質として終わらせない。
頼朝の姫、大姫との表向きな許婚は、義仲にとっても頼朝の懐を探る機会となる――義高に動向を探らせる間者の任を課したのだ。
こうして、儚く悲しい恋物語が始まったのである。
最初のコメントを投稿しよう!